映像作品上映会 奥村雄樹《ジュン・ヤン 忘却と記憶についての短いレクチャー》






201112月に東京藝術大学の「博士審査展」で発表され、大きな話題を呼んだ奥村雄樹の映像作品《ジュン・ヤン《忘却と記憶についての短いレクチャー》の上映会を開催いたします。

奥村雄樹の《ジュン・ヤン 忘却と記憶についての短いレクチャー》は、奥村が東京藝術大学内で企画したジュン・ヤン(アーティスト)による特別講義の様子を映像編集したものです。一人称の指標性によって主体が入れ替わる現象を扱った本作は、発話と人格の奇妙な関係に対する奥村の関心から生まれました。それは、講義においても触れられているように、日常的な場面における誤解や誤読という事態にも繋がります。他人の体験談を語る際に描写される情景の差異もまた、新たな情報として付加され、物事の理解や記憶の形成に変質をもたらすのです。それは、また、美術の実践におけるプロセスやドキュメンテーションという問題にも重なっていきます。


《ジュン・ヤン 忘却と記憶についての短いレクチャー》
制作:奥村雄樹
講義:ジュン・ヤン/通訳:小林禮子/撮影:藤井光/字幕:荒木悠
2011年/28分/HD/日本語/英語字幕
Copyright ©2011 Yuki Okumura; Courtesy MISAKO & ROSEN


日時:2012325日(日)

会場:gsgp 女子美アートセンター準備室

開場:15:30
上映:16:00 - 16:30
ディスカッション:16:30 - 18:30

参加:要予約。参加希望の方はメールタイトルを「奥村雄樹 映像作品上映会」とし、
氏名・人数を明記の上、下記アドレスまでお送りください。
joshibigsgp(at)gmail.com
 (at)を@に変更ください。


関連企画 ディスカッション 奥村雄樹×杉田敦×星野太
《ジュン・ヤン 忘却と記憶についての短いレクチャー》について、それぞれの視点からコメントし、
そこから議論を展開します。さまざま視点な解釈やの相違から生まれる議論が、新たな視座に向かう
ことになるかもしれません。



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【奥村雄樹 Yuki Okumura】(アーティスト)
1978年生まれ。2012年、東京芸術大学大学院博士後期課程修了予定。主な個展に「くうそうかいぼうがく・落語編」(MISAKO & ROSEN, 東京, 2010)など。主なグループ展に「"Now that I'm by myself," she
says, "I'm not by myself, which is good"」(DiverseWorks, ヒューストン, 2009)、「ラブラブショー」(青森県立美術館, 2009)、「Fuyu no Tabi」(Shane Campbell Gallery, シカゴ, 2012)、「メメント
調布」(トコン・ダラーム・バサール東京, 2012)など。今年は東京国立近代美術館、東京都現代美術館、愛知県美術館などでの発表が予定されている。


【杉田 敦 Atsushi Sugita】(美術批評)
1957年生まれ。女子美術大学教授。現代美術と哲学、科学、メディアを横断的に論じる。主な著書に『メカノ』(青弓社, 1991)、『リヒター、グールド、ベルンハルト』(みすず書房,1998)、『ナノ・ソート』(彩流社, 2008)。『アートで生きる』(美術出版社, 2010)、『アート・プラットフォーム芸術表象コンセプトブック』(美学出版, 2010)、『inter-views 語られるアート,語られる世界』(美学出版, 2011)などもある。また、″critics coast″(越後妻有アートトリエンナーレ,新潟,2009)などの発表や、オルタナティヴ・スペース art & river bankの運営なども行っている。

【星野 太 Futoshi Hoshino】(美学/表象文化論)
1983年生まれ。専攻は美学、表象文化論。現在、日本学術振興会特別研究員、東京大学グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター(UTCP)」共同研究員。近著に「媒介の擁護」(『Expanded Retina|拡張される網膜』カタログ, BAMBA BOOKS, 2012年)、「崇高なる共同体」(『KAWADE道の手帖 大杉栄』河出書房新社, 2012年)、「国家の二つの身体」(『Na+, 2011年)など。翻訳にクレア・ビショップ「敵対と関係性の美学」(『表象05, 2011年)、ジェフリー・スコット『人間主義の建築』(共訳鹿島出版会, 2011年)など。